桜100周年記念事業 NEWS LETTER Vol.4

2014年1月15日発行

新年明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は、当商工会財団にとって記念すべき年になりました。2012年の「桜寄贈100周年記念事業」の一環で進めて参りましたタイダル・ベイスン景観整備工事が終わり、11月に無事竣工式が行われました。 当初の予定よりも完成までに時間がかかりましたが、関係機関の皆様のご尽力により、桜植樹記念石碑と灯籠の周りが日本庭園風に整備されました。この場所はこれまであまり注目されてきませんでしたが、これからはポトマック河畔の桜と共に、何世代にも亘って日米友好のシンボルとして愛されていくものと思います。皆様も今年の全米桜祭りの頃には、ぜひ足をお運び下さい。

桜が“日米友好のシンボル”だとすれば、日本語を学ぶ米国の子供達は“日米友好の掛け橋” です。当商工会財団では、「日本語教育支援」も桜寄贈100周年記念事業の一つとして位置付けてきましたが、今年は更に内容の充実を図りたいと考えております。

その他の活動も含めまして、昨年12月末時点での進捗状況を以下にご報告致します。これからも関係者一同努力して参りますので、今年も皆様方のご支援、ご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い致します。

末筆ではございますが、今年も皆様方のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

 ワシントン日本商工会財団理事長  大出 隆

各事業のアップデート

次世代の日米関係を担う人材を育成し、両国パートナーシップの基盤をより強固なものにするため、日本語を話せる米国人を育成することは大変重要な課題になっています。そこで商工会財団では、米国での日本語教育を多面的に支援していくことで米国の若者に日本という国やその文化を知ってもらい、それを日本語学習への関心に繋げ、さらには彼らに日本語を活かしたキャリアを考える機会を提供するという、一貫した流れを持つ複数の事業を構築しました。これらについての活動状況を報告致します。

① サクラグラント

サクラグラントは、ワシントンDC地域(ワシントンDC、メリーランド、バージニア、デラウェア各州)、ニューヨーク地域(ニューヨーク州、コネティカット州、ニュージャージー州)にあるK-12レベルの公立、私立、チャーター、マグネットスクールの日本語教育や日本文化教育の支援を目的に設立されました。簡単に事業経過をご説明します。

2013年春、当該地域の学校等に対してグラントの案内を送り、6月に応募を締め切りました。9月にグラント委員会の審査を経て31校に対するグラントが決定し、各学校に通知されました。10月から下の表のとおり送金して参りました。

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サクラグラントは2012年から始まり、 2016年まで5年間にわたって公募を続ける方針です。本グラントは全米日本語教師会などでも話題に上り、日本語教師の方々から感謝の声を多く頂いております。次回以降のニュースレターでは、グラントを授与された学校や教師の方々から具体的な使い道についてなどフィードバックを紹介する予定です。

また本事業は、昨年5月17日に外務省が開催した「海外における日本語の普及促進に関する有識者懇談会」の第3回会合でも取り上げられました。具体的には、伊藤 実佐子氏(国際交流基金ロサンゼルス日本文化センター所長)の基調報告の中でトピックの1つとして挙げられた形です。同氏は、「米国における日本語学習の盛り上がりを加速させるためには、官・民・学の連携が必要」と主張され、続いて「米国での日系民間企業は、これまではコミュニティサービスの観点から資金支援を主に行ってきたが、最近は日本語教育支援にシフトしつつある」として、本事業を紹介されました。これは、本事業が日本の広報文化外交における先進事例として紹介されたことに等しく、桜100周年記念事業のプロジェクトの一つとして日本語教育支援を選定し、その中で本事業を選んだことの正しさを示したもの と考えております。こうした動きを受けて、今後の本事業は、日本の広報文化外交を先導する役割も担っているとの認識を持って進めていく所存です。

(参考)海外における日本語の普及促進に関する有識者懇談会(第3回会合の概要)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page22_000029.html

② ワシントンDC日米協会主催「さくらまつり」日本語テントの設置

今年も引き続き、4月12日にワシントンDC日米協会(以下日米協会)が開催する「さくらまつり−ストリートフェスティバル−」の一角に、「Let’s Learn Japanese 日本語できます!」テントを設置することになりました。 本テントでは、例年同様「日本語できます」というおそろいのTシャツを着たボランティアが、ひらがな、カタカナ、漢字の由来、習字や日本のゲームなどを紹介し、来場者に日本語の面白さを実際に体験してもらうことを通じて、多くの方々に日本語への興味と理解を深めて頂きたいと思っております。既に今年の展示に向けた準備が始まっております。

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③ 日本語教育に関するシンポジウム・セミナー

日本語を学ぶ学生・日本語教師・日本企業の情報交換とネットワーキングの機会を設けるために、シンポジウムやセミナーなどイベントの開催について検討を続けています。昨年は特にイベントを開催しませんでしたが、今年は開催を目指したいと考えております。

当商工会財団は、日本政府・在米日本大使館等のイニシアチブのもと、 タイダル・ベイスン景観整備事業を資金面で支援してきました。その事業が昨年末を持ちまして無事完了したことを
ご報告致します。

本事業は、米国国立公園局(National Park Service, NPS)及びナショナルモール信託基金(Trust for the National Mall, TFNM)の管理下、以下のように進められました。

2012年11月:景観整備を行う基本設計の提案内容が関係当局により承認
2013年4月:日本灯籠火入れ式典(州協会全米協議会=NCSS主催)にて「鍬入れ式」
11月8日: 完成式(佐々江賢一郎駐米大使、ロバート・ボーゲルNPS部長、キャロライン・カニングハムTFNM会長、柳原恒彦ワシントン日本商工会長、景観整備の設計・施工を行った栗栖宝一氏他出席)

この完成式の模様は、日米の主要メディアを通じて報道されました。

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本景観整備事業により、日本灯籠の周辺は装いを新たにし、米国の首都において日米の絆を象徴する”Japanese Lantern Plaza (仮称)”として、タイダル・ベイスンを訪れる人々に憩いの場を提供できることとなりました。

この場をお借りして、本景観整備事業の推進にご尽力を頂いた皆様に、改めまして心より御礼を申し上げます。

本事業は、「桜100周年」を首都ワシントンだけの行事ではなく全米に広げたいという趣旨に基づきスタートしました。在米日本大使館のイニシアチブを当商工会財団がサポートし、米国植樹団体などからの協力を得て、桜を植樹するためのグラントが15都市に授与されました(2013年12月末現在)。現在審査中なのは一団体のみとなっております(下記表参照)。植樹は各団体が提案した都市の象徴的な場所 (州・市庁舎、目抜き通りなどが中心) の他、大学キャンパスなどの教育施設でも行われています。

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当商工会財団は、2012年の桜寄贈100周年「全米桜祭り」において、 全米桜祭り協会(NCBF)や州協会全米協議会(NCSS)と協力関係を結びました 。この良好な関係はこれからも維持していきたいと考え、今年も「全米桜祭り」に向けて様々な共同イベントを計画しています。例えば、前述したタイダル・ベイスンの日本灯籠地区の景観整備も完了し、 日本灯籠火入れ式典はこれまでにも増して日米関係を象徴する素晴らしいイベントになるはずです。当商工会財団は、今後も「全米桜祭り」等、ワシントンならではの文化交流を通じて日本の素晴らしさを多くの米国人にアピールしていきたいと考えています。

本事業では、 モーリーン&マイク・マンスフィールド財団の協力のもと、日米関係の将来像構築に向けた提言策定を目標に、米国の産官学で活躍する若手専門家を中心にした「進化と繁栄を共有するためのマンスフィールド財団タスクフォース(以下、タスクフォース)」を結成しました。

同タスクフォースは昨年6月6日、 キャピトル・ヒルで日米関係に対するビジョンの草案についての「中間発表会」を開催しました。草案の内容は、「現代日米ビジョンの構築」と題する提言書としてとりまとめられ、同年11月に日本語・英語の二カ国語で発表されました。提言の内容は、「日米両国の経済を強固で活力あるものにするため、先進的かつ戦略的な取り組みを行う」というもので、タスクフォースのメンバー7名による具体的な提言が掲載されています。

日本語版:http://mansfieldfdn.org/japanese-2/
英語版:http://mansfieldfdn.org/program/dialogues/u-s-japan-task-force/

同年11月29日から12月5日にかけては、トーマス・シーファー前駐日米国大使を含むタスクフォースの一行が、この提言書発表のため札幌・仙台・名古屋・大阪・京都・熊本の6都市を訪問しました。各地で政財界やマスコミとのディスカッションを行うとともに大学での公開セミナーを開催し、将来の日米関係について、積極的で建設的な議論を交わしました。

(参考)マンスフィールド財団の提言タスクフォースウェブページ
Mansfield Foundation Task Force on Crafting a Contemporary U.S.-Japan Vision for Shared Progress and Prosperity
公式サイト:http://mansfieldfdn.org/program/dialogues/u-s-japan-task-force/

こうして昨年末、提言書の完成、ワシントンDCおよび日本各地での発表会開催、並びに、米国の次世代で活躍する日本研究専門家への支援という成果を残して、本事業は成功裡に終了致しました。

皆様方のご尽力により、桜100周年記念事業としての知的交流支援は終了しました。しかし「桜」をきっかけとして私たちが撒いた「種」は芽生え、着実に成長を続けております。今後それをどのように育成していくべきなのか、ワシントン日本商工会財団として、これからも引き続き検討していきたいと思っております。

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